工事現場はゆかいな動物園!

工事現場で働く人たちが集まる建設業界で、ぼくが出会ったゆかいな仲間(動物?!)たちを、紹介していこうと思います。土木・建築の現場監督による観察記録。

石積工事③~ぼくが止まると合図も止まる~土木作業員ゴリゴリ編8~

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「ぼくの動きを、ぼくに合図してくれる、少し変わった土木作業員の話・・・」

 

工事名:道路の災害復旧の工事

作業内容:石垣の裏込め材を入れる作業です。

安全指示:バックホウへの合図の徹底!

KY活動:重機の旋回内には入らない。

 

人員は3名です。

監督のパンツ(重機オペ)

作業員のゴリゴリ君(手元)

作業員のアルチューさん(石工)

 

それではご安全に!

 

 

・またまた続きの作業開始!

今回の作業は、前回施工した石積の裏側に、「裏込め材」という砕石を入れる作業です。

ぼくがバックホウで砕石を投入して、ゴリゴリ君がその砕石を、かき板を使って敷き均します。

場所によっては、バックホウから見えない所もあるので、その時はゴリゴリ君の合図に従って投入します。

さて、

今回は上手くいくかな・・・

 

 

・裏込め材の作業

作業が始まりました。

さっそく、ぼくがバックホウで砕石を投入します。

運転席から見えやすい場所の施工なので、ぼくは目視で砕石を入れていきます。

ゴリゴリ君は何をしているかというと、

「オロオロ」しています。

はじめての作業なので、何をしていいのかわからずに、ウロウロしています。

そんなゴリゴリ君を、ぼくは放置しながら作業を続けました。

すると、

何かひらめいたように、バックホウの前に立ち、

 

「ここです。ここに入れて下さい!」

 

と、ぼくに向かって合図をします。

何も解らないゴリゴリ君。

とりあえず、大きな身振りで合図をします。

気持ちはわかるんですが・・・

 

自分の目で、直接見える場所での合図はいりません。

邪魔です!

目障りです!!

ぼくは見えてます!

合図は、いりません!!

 

それでもバックホウのそばに来て、応援団の団長みたいに合図します。

いい加減ウザくなったぼくは、

 

「こらー!ジャマだー!!」

 

と、大きな声で一喝。

すると、

ゴリゴリ君は、蹴飛ばされた野良犬みたいに、ぼくのそばを離れました。

怪我されても困るので、ぼくなりの愛のムチです。

そんなこんなで作業は続きます。

 

 

・裏込め材投入の合図

 次に、裏込め材を入れる場所は、バックホウの運転席からは見えません。

長年の経験から感覚で入れることは可能ですが、合図があった方が確実です。

なので、

ゴリゴリ君に合図をしてもらい、そのの合図を頼りに作業します。

そして、

しばらく合図に従い裏込め材を入れていくと、ある「違和感」を感じます。

 

なんだか、ゴリゴリ君の合図があるのに・・・

 

自分の勘で入れているような感覚が・・・

 

なので、

ぼくは試してみました。

バックホウで砕石を入れている途中で止めました。

 

すると、

なぜか合図も止まります。

ぼくは再び動かします。

 

すると、

合図も再び動きます。

ぼくは動きを止めます!

 

やはり、

合図も止まります!

確信しました!!

 

ゴリゴリ君の合図とは、

 

「ぼくの動きを合図する!」

 

と、言う合図なのです!!

 

斬新です!

 

ぼくの動きをぼくに伝えるという、斬新な合図です!

まったく合図の意味がありません!

合図になってない合図。

 

さらに言うと、ゴリゴリ君は、ぼくを見つめながら合図をします。

砕石なんて眼中にありません!

鏡のごとく、ぼくの意思を、ぼくに正確に伝えます!

ぼくの頭の中にドリフの名言が浮かびました。

 

「だめだこりゃ」

 

と・・・

 

そんなゴリゴリ君に、何回も作業のやり方を説明しながらも、何とか作業を終えました。

 

 

・あとがき

多分ゴリゴリ君は、どのくらい砕石を入れていいのか、加減が分からなかったので、とりあえず合図をしたのだと思います。

しかし、

ぼくの動きは、他人に合図してもらわなくても分かります!

合図してもらいたいのは、砕石の量です!

でも、ぼくは十分楽しんだので満足です!

以上お疲れ様です。感謝!!