工事現場はゆかいな動物園!

工事現場で働く人たちが集まる建設業界で、ぼくが出会ったゆかいな仲間(動物?!)たちを、紹介していこうと思います。土木・建築の現場監督による観察記録。

心の叫び(お願い!反対から話して)~建築監督クロッキー編4~

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「訳が分からない!混乱します!」

 

工事名:市営のグラウンド整備工事

作業内容:現場事務所での実施工程の打ち合わせ。

安全指示:次の工程を考えた工程を組むこと!

KY活動:説明は簡潔に。

 

人員3名

監督のパンツ

監督のクロッキーさん

設備の監督のオラオラさん

ご安全に!

 

 

・設備の打ち合わせ

今日は、ぼくとクロッキーさんと二人で、「グラウンド改修工事」の現場事務所で打ち合わせです。

工事も終わりに近づき、あとは、屋外便所の仕上げと設備の器具付けを残すだけとなりました。

月末なので、来月の実施工程を含めての打ち合わせです。

 

しばらくして・・・

雑談も含め、今後の工程について調整していると、設備工事が施工に入らないと、次の工程に進めないことがわかりました。

そしてぼくが、

 

「設備屋さんの施工の段取り、どうします?」

 

と、クロッキーさんに尋ねました。

すると、

 

「設備屋さんは、どこの人なの?」

 

と、訪ねてきたので、

 

「設備屋のオラオラさんです。」

 

と、答えました。

すると、

思い出したかのように、ぼくに設備のオラオラさんの電話番号を聞き、すぐに電話します。

そして、

ぼくは、その電話のやり取りをクロッキーさんの横で聞くことになりました。

 

 

・電話(電話でのやり取り)

以下、

「建築監督クロッキー」さんと、「設備監督オラオラ」さんとのやり取りです。

 

クロッキー:「もしもし、オラオラさん?!早く出してよ!」

 

オラオラ:「え・・・、なにを?ど、どちらさん?」

 

クロッキー:「位置!位置!」

 

オラオラ:「え・・・、えっ!何の位置?・・・どちらさん?」

 

クロッキー:「手洗い器よ、手洗い器!」

 

オラオラ:「・・・どこの手洗い器ですか?えっ?」

 

クロッキー:「便所、男子便所!」

 

オラオラ:「いや・・・、現場はどこですか?」

 

クロッキー「ここ!ここの現場!」

 

オラオラ:「えーと・・・、ここと言われましても・・・」

 

クロッキー:「パンツの現場!」

 

オラオラ:「あぁー!パンツさんの現場のことですか!!」

 

クロッキー:「そうそう!それじゃよろしく!」

 

オラオラ:「ちょ、ちょっと待ってください、いつですか?」

 

クロッキー:「明日!」

 

オラオラ「えぇー!明日ですか!!・・・」

 

クロッキー:「それじゃよろしく!!ピッ」

 

オラオラ:「明日は無理です!」

 

クロッキー:「プー・プー・プー・・・電話は切れています。」

 

以上、電話のやり取り。

 

 

・電話の後

突然の電話にオラオラさんは、びっくりしたと思います。

名前も名乗らず、いきなり「出してよ!」です。

 

「何を?」

 

と、言いたくもなります。

電話の最中、オロオロしているオラオラさんの姿が目に浮かびます。

完全に「文法」を無視してます。

難解な暗号を解いている感じだったでしょう。

その場で、電話の内容を聞いていたぼくも、何を言っているのかわからず、暗号の解読に必死です。

クロッキーさんは、いつもこんな話し方で、多少は慣れているぼくですが、初めて話す人はびっくりしたと思います。

 

まとめると、

クロッキーさんはこう伝えたかったと思う。

 

「いつ:明日、

だれに:設備のオラオラさんに、

どこで:現場の男子便所の、

なにを:手洗い器の位置を、

どうした:出してもらいたい。」

 

多分、これで間違いないと思います。

完全に逆です。

日本語として成立していません!

それを反対から説明するクロッキーさん、必死に理解しようとするオラオラさん。

そして、

いつもしっかりしている「オラオラ」さんが、「オロオロ」さんになってます。

ぼくは、あらためて日本語の大切さを知りました。

電話を終えたクロッキーさんは、ぼくに向かって

 

「よし!これで大丈夫!!」

 

と、満足そうな顔で言いました。

と、言うことで工程の打ち合わせも無事?・・・終わりました。

 

 

・そのあと

あとで、オラオラさんから、ぼくに電話があり、

 

「クロッキーさんの電話の内容、もう一度教えてください・・・パニックになったもので・・・」

 

そしてぼくは、こう言いました。

 

「横で聞いていたのでわかります。・・・その気持ち・・・痛いほどよくわかります・・・」

 

と、優しく声をかけてあげました。

 

下請けのオラオラさん・・・

 

「施工以外のことで大変だなぁー」

 

と、思い、心の中でそっと手を合わせました。

以上お疲れ様です。感謝!!