工事現場はゆかいな動物園!

工事現場で働く人たちが集まる建設業界で、ぼくが出会ったゆかいな仲間(動物?!)たちを、紹介していこうと思います。土木・建築の現場監督による観察記録。

石積工事②~子供の積み木遊び~土木作業員ゴリゴリ編7~

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「職人技を初めて使う作業員!」

 

工事名:道路の災害復旧工事

作業内容:大雨で崩れた石垣の復旧作業です。

安全指示:石工と手元の息の合った連携作業!

KY活動:バール使用時に、指を挟まれるので手元をよく見る。

 

人員は3名です。

監督のパンツ(重機オペ)

作業員のゴリゴリ君(手元)

作業員のアルチューさん(石工のまね)

 

それではご安全に!

 

 

・昨日の続きの作業開始

前回に引き続き、大雨で崩れた道路の石垣を復旧する作業です。

ぼくが指示を出しながらバックホウで石を吊り込み、アルチューさんがバールで調整しながら石を積み、ゴリゴリ君が手元をします。

さて、

今回もどんなことが起こるか想像もつきませんが、何かを「やらかす」はずです。

間違いなく!!乞うご期待!

 

 

・石積の尻かいとは?

初めて石積の作業を体験するゴリゴリ君。

アルチューさんとの息の合った施工が大事です。

バックホウで石を吊り込み、据え付けると今度は、水糸に合わせてバールで微調整をします。

3点が石につくように、据え付けなければならないので難しい作業です。

そして、

微調整が終わると、石が動かないように栗石で固定します。いわゆる「尻かい」です。

アルチューさんがバールで調整し、ゴリゴリ君に尻かいをするよう指示します。

 

「よし!ゴリゴリ君、固定して!」

 

「ハイ!わかりました!」

 

と、尻かいをします。

しかし、

なかなか固定できません。

しびれを切らしたアルチューさん、ゴリゴリ君の作業を見ます。

すると、

 

「こらー!なにをやっているんだ~!!」

 

と、怒鳴り声が聞こえました。

ぼくはバックホウから飛び降り、急いでゴリゴリ君の元へ・・・

 

な、なんと、

直径5cmぐらいの小さな石ころを、四段くらい積み上げて尻かいをしています。

それでは石垣は崩れます。

しかも器用に積み上げてます。

子供の積み木です。

ぼくは、すかさずゴリゴリ君に、

 

「それじゃ、ダメだ!」

 

と伝え、ほかの尻かいを持ってくるように指示します。

 

「えっ!?」

 

と、焦っているゴリゴリ君は周りを見渡し、そこらへんにあった黒い塊を敷きます。

そして、

石が安定したと思い、アルチューさんがバールを離そうとしました。

しかし、

なぜだか石は、なかなか安定しません。

ぼくはそっと尻かいを見ました。

 

な・な・なんと!!

泥の塊です!!

黒い塊の正体は「泥」でした。

焦ったあまり、石と泥の区別がつかなかったのです!

そろそろ、バールを持つ手が限界のアルチューさんは半分キレながら、

 

「バカたれ!はやくしろ!!」

 

と、叫びます。

その言葉で完全にパニックになったゴリゴリ君。

とんでもない行動に出ました。

 

な・な・な・なんと!!

隣の石垣の尻かいを取ったのです!!

そして、

次の瞬間!

 

「ガシャン!ガラガラガラ・・・」

 

と、音を立てて石垣が崩れました。

 

「・・・」

 

ぼくとアルチューさんは、あきれて物が言えません。

と、同時にぼくは笑いがこみ上げてきました。

 

考えてもみてください!

 

「積み木」から「泥の塊」、そして「隣の尻かい取る」、さらにオチには「からの崩れる」です!

 

完全に漫才です。

完全にコントです。

 

昔なら、ドリフの八時だよ!全員集合の「だめだこりゃ!」で、今なら「M-1」グランプリで、出場しても上位入賞です。

現場で、面白いコントを見せてくれたゴリゴリ君に、心の中でそっと両手を合わせ感謝しました。

そのあとは、

アルチューさんと一緒に石垣の手直しをして、普段の作業へと戻りました。

 

石積工事③につづく

 

・あとがき

前回にひきつづきぼくを楽しませてくれたゴリゴリ君。

いつもありがとうございます。最高です!!

次回も何かが起こる予感が・・・

 

以上お疲れ様です。感謝!!