「職人技を初めて使う作業員!」
工事名:道路の災害復旧工事
作業内容:大雨で崩れた石垣の復旧作業です。
安全指示:石工と手元の息の合った連携作業!
KY活動:バール使用時に、指を挟まれるので手元をよく見る。
人員は3名です。
監督のパンツ(重機オペ)
作業員のゴリゴリ君(手元)
作業員のアルチューさん(石工のまね)
それではご安全に!
・昨日の続きの作業開始
前回に引き続き、大雨で崩れた道路の石垣を復旧する作業です。
ぼくが指示を出しながらバックホウで石を吊り込み、アルチューさんがバールで調整しながら石を積み、ゴリゴリ君が手元をします。
さて、
今回もどんなことが起こるか想像もつきませんが、何かを「やらかす」はずです。
間違いなく!!乞うご期待!
・石積の尻かいとは?
初めて石積の作業を体験するゴリゴリ君。
アルチューさんとの息の合った施工が大事です。
バックホウで石を吊り込み、据え付けると今度は、水糸に合わせてバールで微調整をします。
3点が石につくように、据え付けなければならないので難しい作業です。
そして、
微調整が終わると、石が動かないように栗石で固定します。いわゆる「尻かい」です。
アルチューさんがバールで調整し、ゴリゴリ君に尻かいをするよう指示します。
「よし!ゴリゴリ君、固定して!」
「ハイ!わかりました!」
と、尻かいをします。
しかし、
なかなか固定できません。
しびれを切らしたアルチューさん、ゴリゴリ君の作業を見ます。
すると、
「こらー!なにをやっているんだ~!!」
と、怒鳴り声が聞こえました。
ぼくはバックホウから飛び降り、急いでゴリゴリ君の元へ・・・
な、なんと、
直径5cmぐらいの小さな石ころを、四段くらい積み上げて尻かいをしています。
それでは石垣は崩れます。
しかも器用に積み上げてます。
子供の積み木です。
ぼくは、すかさずゴリゴリ君に、
「それじゃ、ダメだ!」
と伝え、ほかの尻かいを持ってくるように指示します。
「えっ!?」
と、焦っているゴリゴリ君は周りを見渡し、そこらへんにあった黒い塊を敷きます。
そして、
石が安定したと思い、アルチューさんがバールを離そうとしました。
しかし、
なぜだか石は、なかなか安定しません。
ぼくはそっと尻かいを見ました。
な・な・なんと!!
泥の塊です!!
黒い塊の正体は「泥」でした。
焦ったあまり、石と泥の区別がつかなかったのです!
そろそろ、バールを持つ手が限界のアルチューさんは半分キレながら、
「バカたれ!はやくしろ!!」
と、叫びます。
その言葉で完全にパニックになったゴリゴリ君。
とんでもない行動に出ました。
な・な・な・なんと!!
隣の石垣の尻かいを取ったのです!!
そして、
次の瞬間!
「ガシャン!ガラガラガラ・・・」
と、音を立てて石垣が崩れました。
「・・・」
ぼくとアルチューさんは、あきれて物が言えません。
と、同時にぼくは笑いがこみ上げてきました。
考えてもみてください!
「積み木」から「泥の塊」、そして「隣の尻かい取る」、さらにオチには「からの崩れる」です!
完全に漫才です。
完全にコントです。
昔なら、ドリフの八時だよ!全員集合の「だめだこりゃ!」で、今なら「M-1」グランプリで、出場しても上位入賞です。
現場で、面白いコントを見せてくれたゴリゴリ君に、心の中でそっと両手を合わせ感謝しました。
そのあとは、
アルチューさんと一緒に石垣の手直しをして、普段の作業へと戻りました。
石積工事③につづく
・あとがき
前回にひきつづきぼくを楽しませてくれたゴリゴリ君。
いつもありがとうございます。最高です!!
次回も何かが起こる予感が・・・
以上お疲れ様です。感謝!!