工事現場はゆかいな動物園!

工事現場で働く人たちが集まる建設業界で、ぼくが出会ったゆかいな仲間(動物?!)たちを、紹介していこうと思います。土木・建築の現場監督による観察記録。

入社二日目②真夜中のスコップ~土木作業員ゴリゴリ編3~

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「嵐のあとの工事現場!そこでまさかの出来事が!」

 

前回のつづきを書きたいと思います。

工事名:道路の維持管理業務の委託

作業内容:真夜中の土砂除去

安全指示:真っ暗の中の作業になるので安全を怠らないように!

KY活動:周りが見えないので周囲の確認。

 

人員以下3名

監督のパンツ

道路管理課の担当者

作業員のゴリゴリ君

 

それではご安全に!!

 

 

・前回のつづき

道路維持管理の緊急災害に巻き込まれたぼくと、入社2日目で土木経験なしのゴリゴリ君。

真夜中に突然呼び出され、訳も分からないまま一人現場へ置き去りにされました。

さて、この後どうなることやら・・・

 

 

・次の現場

ひどくはないのですが、いまでも雨は降り続けます。

前の現場へゴリゴリ君を一人置き去りにして、ぼくと道路管理課の担当者は、次の現場へと到着しました。

災害場所を見渡すと少し安心しました。

その現場もそれほどの被害はなく、土砂の除去作業は、明日でもいいとのことでした。

そのあと担当者と別れ、闇の中に残したゴリゴリ君のもとへ向かうため、車に乗り込みます。

すると、

緊張が解けたからか、ホっとして急に疲れが出ました。

五分ほど休憩しようと座席のシートを倒して横になります。

 

「今日も疲れたな・・・五分ほど仮眠しよう・・・」

 

「Zzz・・・」

 

 

・翌朝になり・・・

小鳥の鳴き声・・・

 

朝の太陽の光・・・

 

目が覚めると朝の六時です。

昨日の大雨がうそのようです!

清々しい朝です!完全に疲れが取れました!!

 

ぼくは、昨日は大変だったなと思いながら、煙草に火をつけようとしたとき、とても大事なことに気付きました。

 

「あ・・・」

 

やってしまいました!

そうです!

その通りです!!

忘れていました・・・

 

ゴリゴリ君を一人にしたまま眠ったのです。

闇の中に置き去りにしたまま爆睡したのです!

入社二日目の「子ウサギ」のようなゴリゴリ君を!!

 

さすがに、家に帰っていると思いながらも、ゴリゴリ君を残した現場へ向かいます。

現場へ到着し、恐る恐る周りを見渡すと、

 

いました・・・

 

まさかの作業中でした。

土砂除去の作業中でした!

ぼくが来ていることに気付かず、一心不乱に土砂を!

スコップで!掘ってます!!手掘りです!!

足早に近づき、声をかけるとゴリゴリ君は、

 

「あっ!遅かったですね。」

 

と言いながらその場に座り込みました。

無理もありません!

6時間近く作業してたのです!

大型ダンプ3台分は掘ってます!!

 

逸材です。

なかなかいません。

漆黒の雨の中、たった一人で、カッパも着ずに、掘る人なんて・・・

その姿を見たぼくは、あしたのジョーの最終回が脳裏に浮かんできました。

 

「真っ白になったジョーが・・・」

 

しかも、ぼくは車の中で寝てました。

爆睡です。

疲れも完全に取れてスッキリしています。

でも、寝てたなんて言えません。

到底言えません。

 

「ぼくも巡回していて寝てないんだけど、よくがんばったね!」

 

と、うそを言うと、

 

「はい!命令通り、作業しました。パンツさんも頑張っているんで!!」

 

と、ぼくの心に「ぐさり」と刺さるように答えます。

ぼくは違う意味で、感動しました。

ぼくなら帰ります。

速攻で帰ります!

 

天然なのか、何なのか、よくわかりませんが、とにかく逸材です。

大事に育てたいと思います。

ぼくの「しもべ」として・・・

そんなこんなで作業を終えて、現場を後にしました。

 

 

・作業終了

ぼくの命令を忠実に実行するゴリゴリ君を対して、ぼくはこう決意しました。

 

「ゴリゴリ君をぼく専用の鉄人28号にしてみせると!!」

 

そして次の日から「鉄人28号改造計画」が始まったのです。

 

注:鉄人28号はリモコンで動くロボットです。

以上お疲れ様です。感謝!!