工事現場はゆかいな動物園!

工事現場で働く人たちが集まる建設業界で、ぼくが出会ったゆかいな仲間(動物?!)たちを、紹介していこうと思います。土木・建築の現場監督による観察記録。

石積工事①~生まれて初めての石垣~土木作業員ゴリゴリ編6~

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「石積という職人の仕事を初めて行う素人!」

 

工事名:道路の災害復旧工事

作業内容:大雨で崩れた石垣の復旧作業です。

安全指示:バックホウとの併用作業になるので、合図の徹底!

KY活動:オペレーターに分かり易い合図をする。

 

人員は3名です。

監督のパンツ

作業員のゴリゴリ君

作業員のアルチューさん

 

それではご安全に!

 

 

・初めての作業開始

市役所発注の災害復旧の工事現場です。

 

今回の作業は、大雨で壊れた石垣復旧のための石積と、裏込め材の砕石を入れる作業です。

小規模な災害復旧の工事なので、ぼくがバックホウのオペレーターをします。

そして、アルチューさんが石垣の石を積みます。

そしてそして、ゴリゴリ君が補助作業をします。

まぁ、

いわゆる、手元と呼ばれるヤツです。

もちろん、手元しかできません。

 

「・・・」

 

ぼくは不安です。

ゴリゴリ君は、生まれて初めて石積工事をします。

 

「と・て・も・不安」です。

 

何をやらかすか・・・

 

 

・石積作業が始まった!

まず、アルチューさんが石積用の石を選び、玉掛をします。

普段は、普通作業員なのであまり上手くありません。

しかし、

自分をうまく見せようと、知ったかぶりをしながら、ぼくにアピールしてきます。

ぼくは、それを無視しながら移動式クレーンのフックを玉掛けしたチェーン近づけます。

フックにチェーンを掛け、ゴリゴリ君の待つ石の設置場所まで吊り上げます。

吊り上げ作業というのは、掘削作業と違い、結構気を使います。

なるべく揺れないように運ばなければならないし、1cm2cmの微調整にも答えなくてはなりません。

なので、当然集中しています。ピリピリしています。

 

石の設置箇所へ近づくと、育ちが良く上品なゴリゴリ君が、蚊の鳴くような声で合図をしますが、エンジン音のせいもあり、ぼくには全然聞こえません。

しかし、頭の上で大きく両手を交えながら、うれしそうに合図をしているのでわかります。

 

 

・初めての石の据付!

石の設置場所まであと50cmとなりました。

ゴリゴリ君が石を安定させるため、両手で石をつかみます。

そして、

ぼくに石を降ろすように、声を出して合図します。

 

が・・・

 

聞こえません。

 

合図の声が小さいので、何を言っているのか全然わかりません。

金魚みたいに口をパクパクさせています。

手で合図しようにも、必死になって両手で石を持っているので、合図できません。

片方の手を離せばいいのに、要領が悪いためか、手を離せません。

 

ぼくはイライラしながらも、長年の勘で、

 

「危険はない!降ろしていいはず!」

 

と読みます。

 

さらに、

読唇術を使い、ゴリゴリ君の行動を読み解きました。

 

「んー、お・ろ・し・て・かな?」

 

と読み、吊っている石を降ろします。

とりあえず、石を据え付けたゴリゴリ君は、

微調整のためにアルチューさんを呼びに行きます。

 

そして、

微調整が終わり一個目の石積完了です。

いやー、ぼくは疲れました。普段の3倍です!!

石を一個据え付けるだけで、こんなに疲れるとは思いませんでした

あと何十個あるんだろう・・・

 

石積工事②につづく

 

 

・そのあとのこと

さすがゴリゴリ君。

ぼくに楽をさせてくれません。

初めての作業なので、できないのはわかりますが・・・

高校生のアルバイトよりひどいです。

要領がものすごく悪いです。

中学生レベルです。

 

でも、

そんなゴリゴリ君が、ぼくは大好きです。

以上お疲れ様です。感謝!!